鎌鼬    遠藤治
 
  晴天に電波みなぎる淑気かな 
  石膏のおつぱい黒し鳥曇
  発語する春のひらがなふつふつと 
  勾配や夏に買ふから夏帽子
  犬・少女・雲を夏野に配置する
  ダーリンに電気の残る夜食かな
  告白のための高きに登りけり
  鎌鼬好みのふくらはぎ並ぶ
  模造紙を貫く太字山眠る
  蕪村忌の銀一色を渡るなり




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