2007.4
「豆の木」NO11

    

anthology
さいばら天気 車海老 親戚が複雑ポメラニアン跳ねる  
小野裕三 龍の仕組み 夏空に龍の仕組みのありにけり
加茂 樹 あまつぶ 眠り足り読み足りてをり茄子の花
川田由美子 夜の緑 黒揚羽吸いこまれるようもの忘れ
菊田一平 飾り鯛 島の子の燦と水中めがね痕
こしのゆみこ 露つけて 露つけて帰りし姉の深く眠る
小林 檀 一汁三菜 初明り入れるだけ入れ部屋広し
齋藤朝比古 バカボン さざなみの面倒くさき浮寝鳥
高橋洋子 空き地 兄ふたり弟ふたり麦のなみ
田島健一 餅肌や見えない滝で充ちている
月野ぽぽな 高層という滝の只中にいる
峠谷清広 寂しい 階段に砂の乱れる晩夏かな
中嶋憲武 夜の柱 途中よりはじまつている蝉のこゑ
中村安伸 咲いてゐないと 天体であれいもうとも綿虫も
日高 玲 二足歩行 集合写真滝一本の終始かな
前野子壱 鉄人二十号 みず飴の小さき鳥は帰りけり
三宅やよい そして春 おじさんの空気を抜いて桜餅
宮本佳世乃 ららら 夕焼けを壊さぬように脱ぎにけり
矢羽野智津子 神の許し 初夏やスナック菓子に骨の味
吉田悦花 夢の中 秋の風おもふかたちの胃の腑かな
井上広美 あっけらかん 初氷踏んでおろしたてのわたし
上田信治 おそらく 階段の上より夏の川を見し
上野葉月 おでこ 春色にほどく水力発電所
遠藤 治 押忍 海の日の高まつてゆく古時計
大石雄鬼 憲法講座 押し入れが光に汚れ多佳子の忌
太田うさぎ まつすぐに まつすぐに立つ木に今朝の秋の雨
岡田由季 味音痴 霧の這ふ卓球台の上と下


齋藤朝比古  ★   俳句研究賞受賞50句+50句
小野裕三  ★   向こう岸の男―齋藤朝比古小論
中村安伸  ★   ねじれたスプーン
   俳句の娯楽性と芸術性
上田信治  ★   ただごとについて
小野裕三句集『メキシコ料理店』
齋藤朝比古  ★   小野裕三『メキシコ料理店』
    きわめて私的な鑑賞
遠藤 治 小野裕三『メキシコ料理店』を読む
三宅やよい句集『駱駝のあくび』
さいばら天気 二〇世紀の明るさ
吉田悦花 朱夏
岡田由季 狭庭創世記
菊田一平 天籟を待って
田島健一 ショコラに合うワインと丸顔のマスター
合宿記 
越後大湯温泉三昧 加茂 樹
不思議な池 月野ぽぽな   
旅ノートGシチリア こしのゆみこ  
第12回20句競作豆の木賞
東京金魚 さいばら天気
2006豆の木ノート  
表紙  こしのゆみこ陶作品「豊島区目白二丁目」


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