骨壺
遠藤 治
寒暁に属する電話鳴りにけり
紅梅やリーゼントともモヒカンとも
曇天の弱みを握る菖蒲かな
刺青の肌のたるみや秋暑し
水平を知らせる古き空気かな
寒さうな唇と冬来たりけり
癇癪の静脈ありて冬木立
牡蛎となる前に光を失へり
木枯や骨壺ほどのコンピュータ
降り積る雪降り積る人の耳
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