闇のうわずみ             
     片岡秀樹    

人の死が僕の年輪虎落笛
通学路薄氷のみな踏み割られ
建国日夜間工事の穴深く
葉桜や敗れし者が名を残す
後朝や夜光虫を見たとのみ
孑孑の何れが某で誰がふら
サングラスやさしさがこぼれおちぬよう
暗がりにホースの巻かれ盆踊
秋蛍闇のうわずみさえ重く
黄落や街路樹たちの羽化初む


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