恋猫ほうる             
    こしのゆみこ    

鶴を見にゆく日は君を思わざる
ああ父が恋猫ほうる夕べかな
卯月野をゆくバス童話ゆきわたる
プラスチックの中はあったかかたつむり
熱帯魚の向こう恋人が小さい
あちらこちら狐火もやす係なる
戦争を画鋲で留めるクリスマス
押入のようなあきらめ兎飼う
母はひろってきれいに毬をあらう
菜の花を食べないから抱いており


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