黙礼             
白井健介    

看護婦に笑顔の余韻今朝の冬
猟犬の直系にして寝てばかり
盃を確(しか)と持ちたる嚔かな
諸矢しつ復(ま)た手を焙る弓始
椿落ちて獣医深手を負ひにけり
持ち帰りたき尾道のしゃぼん玉
鍵盤をみがく音らし蝶の昼
死を俟たず香具師の掬へる金魚かな
やはりいちごにすべきであつた掻氷
黙礼をもて投了の扇かな


豆の木no.4indexへトップページへ
inserted by FC2 system