陽炎猫町
吉川真実
寒卵ランプ灯すように圧す
父さんと呼ぶ速さにて雪降れり
明日は冬驢馬の尻尾を手綱とす
水晶の中心におり風邪の夜
風花を時の砂鉄と思いけり
陽炎が少年となる猫の町
万緑は尖りたがりて我は病む
無声映画の人の匂いす蛍の夜
白桔梗無音の街に迷い込む
実むらさき会う人々に湖ありて
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