口あいて    こしのゆみこ

 
  盲導犬にこにこ歩くみどりの日

   すべからく支店乙鳥を報告せよ

   おばさんのような薔薇園に疲れる

   わがあたま穀雨の中をゆっくりす

   夜のトマト家族の額映っている

   困っている蟻だと思う指にのせる

   秋の虹巻き尺背中周りおり

   青林檎放物線の途中に手

   一匹は口あいて空見る雄鹿

   水鳥のそばをとおればみな忘れる                 
   
      


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