中央分離帯
片岡秀樹
十戒の二つ失い胡桃割る
崩れ梁家族のふりも板に付き
冬の蜂それは光線との競争
不法遺棄廃棄物の山鳥帰る
喪の服に花をまといて逢いに行く
冷し馬上りて己が影濡らす
梅酒飲む夜の重さを量るため
河童忌の氷の中の酸素かな
病棟のひとの濃淡ゆすらうめ
虹仰ぐ中央分離帯に立ち
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