吉田悦花
かの窓にはたして影のある二月
きさらぎや地蔵通りのカレーの香


上野葉月
春や女子大生でも人妻でもないのにそんなこと言う
無視されて牛春彼岸

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大石雄鬼
軍人の肩まで入る炬燵かな
学級閉鎖つづく街から凧あがる

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太田うさぎ
野遊びの鹿の糞には気をつけよ
常しへはなにやら眠し吊し雛

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岡田由季
順々に良き日を選び鴨帰る　　　　
グラタンに舌焼いてゐる木の芽時

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こしのゆみこ
水温む途中で箱を開けにけり
羽ついている方の子猫よくころぶ

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齋藤朝比古
遠足の箸のからから戻りけり
亀鳴くは苦しきことのひとつなり

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高橋洋子
つばくらめザクザクザクザクザク刺繍
如月のちきんらいすかおむらいす

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