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遠藤治
被写体をあへていふなら春隣
裸木の木漏日こそがありがたし

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岡田由季
要点をまとめて祈る初詣
臘梅や頁めくれば崩れさう

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こしのゆみこ
工作の窓をあければ白鳥来
凍み豆腐少しは親にそむきたる

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近恵
ほろほろと割れ雪の夜の紙石鹸
丹頂よ急げもうすぐガラスになる

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齋藤朝比古
神様へじわりじわりと初詣
遠き火事しづかに音の集まりぬ

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高橋洋子
雨もよい豆まきの豆がどっさり
高い声をだしていたり二月頃

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月野ぽぽな
星のよく響く枯野でありにけり
母に添い寝雪の深井戸のぞくよう

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前野子壱
初えびすあちこちに貼る湿布薬
一月の妻はく息の純白に

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矢羽野智津子
手を上げるだけの決め事春近し
日脚伸ぶ話の出どころ不明なり

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上野葉月
勝独楽の荒ぶるままに残りけり
それぞれの幻氷を見る二人かな

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