◇◆◇１２月の競作◇◆
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吉野秀彦
短日の植木やいそいそ帰りけり
無知という覚りありけり返り花
岡田由季
泡立草あつといふ間に家建ちぬ
ポインセチア開店中は出しておく
こしのゆみこ
空真青ふきよせられしふゆの蝶
私が琴かき鳴らそうと眠る山
古城いつも
重力を吸いて垂る鎖冷たし
母は破壊父は建設尾崎聴く
近恵
釘たくさん含みて冬の川になる
凍土を踏みて烏の光りけり
齊藤朝比古
なにもかも受け容れてゐし枯蟷螂
ラガーからラガーへ渡る紙コップ
高橋洋子
霜月のつばめグリルの角砂糖
ひだまりの白の上の白をみつめる
矢羽野智津子
白菜の胸の藁縄切にけり
赤犬の友達となる冬の蝶
吉田悦花
修飾を剥ぎ落としたる枯蓮
家康のめがねの碑文花ひひらぎ
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