◇◆◇１２
月の競作◇◆
感想は掲
示板にどうぞ。
吉田悦花
冬はじめ電池と発条のとなりあふ
オリオンとわたくししづかなる距離よ
吉野秀彦
レ ノン忌のレノンになれない雀かな
荼枳尼天の魔の力とも冬の雨
上野葉月
霜柱さくさく交叉イトコ婚
直腸をあなどってはいかんじゃないか
岡田由季
恋文に湯気立つやうな消印が
宇宙から還り葉牡丹の重さ
菊田一平
のしかかりさうにおかめの大熊手
はるかまでつづく大酉さまの列
こしのゆみこ
念のためムササビ飛びし道選ぶ
パーティの中の耳袋の人が好き
近恵
冬帽子脱ぐたび髪が増えている
念力で動かせそうな雪蛍
齋藤朝比古
にんげんの漲る熊手明りかな
冬めくや硝子の奥の薬剤師
しまいちろう
貧乏と云う動力やみかん食む
留守をして留守宅へ行く十二月
高橋洋子
のらのらと草野球のたま十二月
封筒はうすい抽斗ふゆごもり
峠谷清広
木枯しに間違えられて海へ行く
冬ざれや官報みたいに失恋中
宮本佳世乃
ふくろふや空がひらいてきて落ちる
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