高橋洋子
びわの家うのはなの家まよひけり
げんのしょうこの時間みじかい手紙
吉田悦花
ピアソラのリベルタンゴよ春愁
ふはふはの仔猫と仔猫もたれあふ
吉野秀彦
なめらかに法説く尼僧花まつり
黙するも護身のひとつ花筏
矢羽野智津子
自転車をまたぎ人待つ啄木忌
空海忌素うどん釜に踊りたる
上野葉月
竹の秋手段選んでいられない
風立ちぬサービスエリアの菫草
遠藤治
行く春の独学もまたけもの偏
ゆつくりと重さまかせに春の斧
岡田由季
のどけしや店舗を持たずあきなへる
左からじわじわ進む野焼かな
古城いつも
亀鳴きて柑橘系の午後なりき
雨雲を逃げて追はるる夏はじめ
近恵
流木に顔がいくつも仏生会
風車やさしく吹くひとを募る
齋藤朝比古
木の芽風ギターケースを地に開き
壷焼の奥より文字のやうなもの
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