こしのゆみこ
動物にふれて満月あがりけり
芋抱え見知らぬ人が追ってくる
近恵
猫じゃらし振って灯台まで歩く
少し泣けば本物の天の川
齋藤朝比古
切るやうに手を入れてゆく泉かな
雨音の屋根に広がる三尺寝
しまいちろう
八月の炎に見える木目かな
少年の足大きかり西瓜割
吉田悦花
淋しいつて痛快なんだ冷し酒
少年と池めぐりたる晩夏かな
吉野秀彦
墓洗うなみなみと汲む桶の水
蜩や養子になった子がひとり
矢羽野智津子
水質の調査から秋蝶はづす
範疇は新聞の上なり亀の子よ
上野葉月
金色のうぶ毛の頬の秋思かな
牛蒡引くときだってあるさ女医だもの
遠藤治
阿と吽の息をひそめる夕立かな
眉間から福原愛の暑さかな
岡田由季
枝豆を競ひて食べる夫婦かな
映画村あちこちめくりかたつむり
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