◇◆◇11 月の競作◇◆

感想は掲 示板にどうぞ。






高橋洋子
神の旅カフカの泣いたホテルかな
ほおずきの絵を描くひとの絵を描くひと



吉田悦花
小鳥くる映画の中の水死体
猫の首かるくつかみて秋の空



吉野秀彦
どの線も足らぬ手相や文化の日
かあちゃんと分けあう炒飯冬立てり



矢羽野智津子
指鉄砲輪ゴム花野に落としたる
コスモスに錆の匂ひのありにけり



上野葉月
樫の実の落つるを待つや恋ヶ窪
秋深し裏番長の入れるお茶



岡田由季
秋うらら猫に薬を飲ます技
マナティの鼻だか目だか秋の昼



こしのゆみこ
寝台のひとつひとつに野菊置く
手摺からてのひらはなれゆく蜻蛉



古城いつも
此処よりは黒きセーター秋葉原
冬立ちて手帳に赤を仕込みたり



近恵
行く秋の耳を畳んだまま眠る
金木犀からだのどこか腐りかけ



齋藤朝比古
残照は沖へ流れて素秋かな
駐在所机の上の柿ふたつ





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