上野葉月
水星が河童の国を照らすかな
一月の女医一月の風邪の中
遠藤治
レシートに愛の言葉や冬銀河
クリスマスツリーの森へ連れて行く
岡田由季
枯芝に思ふぞんぶん菓子こぼす
障子際目覚めすつきりしてゐたる
こしのゆみこ
湖の雪つきしもの売られけり
数えながらわからなくなるひなたぼこ
近恵
雪原に大きな声を出している
少し走れば寒月に乗れる場所
高橋洋子
つつつつと獅子舞という第三者
手鞠歌おんなのこからおんなのこ
しまいちろう
ときどきは鍋の火を見し年男
冬帽子いちボランティアになりきりぬ
内藤 哲史
宇宙飛行士に声届きそな初御空
三日はやボンレスハムの骨探し
吉田悦花
鉄棒の少女さかさま冬ぬくし
のこりたるルーブル紙幣冬深し
吉野秀彦
粛々と賀状エプソン印刷機
ちゃぷちゃぷとやかん酒酌む夜警かな
矢羽野智津子
雪原の際より海のはじまりぬ
野良犬のごとく師走の三次会
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