こしのゆみこ
ふえすぎて消さねば消さねばしゃぼん玉
三寒四温電車もっとも光るかな
近恵
その日まで根雪になっているつもり
きさらぎのポットにぬるいお湯がある
齋藤朝比古
曳舟の船を離るる春の暮
朧夜に鳴る飴色の楽器かな
高橋洋子
クロッカスすべての夜はべつべつの夜
つばくらめ手紙の終わるところから
しまいちろう
昼食はカレーで済ませ桜餅
ラグビーボールスカートに跳び込めり
内藤独楽
恋しくて朧月夜に適応す
好き嫌ひ無く春愁の釜の中
吉田悦花
たひらかに魚売らるる二月かな
焦げくさき二月の風よ淡路町
吉野秀彦
遠い遠い諍い解ける二月の葬
道のりは淋しかったはず春隕石
矢羽野智津子
蕗の薹勘ぐるやうに出でしかな
犬の名のココアココアと春の暮
岡田由季
盆梅の主のぬつとあらはるる
化野に噛む春菊のほろ苦し
●
トップページに戻る●