こしのゆみこ
冬三日月ほどに痛みし絵巻物
ゆりかもめたぶん夢中だったのだろう
齋藤朝比古
翻るものを遠くに冬田かな
手袋を外して星を指してをり
しまいちろう
注連を買ふドラゴンタトゥーのをんなより
冬立つや姉いつまでも平社員
矢羽野智津子
初雪やうさぎの通る明るさよ
冬木立森から逃げてをりにけり
吉田悦花
ふたりの前にアンデスの塩冬はじめ
大盛の薬膳カレー小六月
吉野秀彦
中年の走る月末青木の実
若冲の鶏放す小春かな
石山昼妥
鳥葬の国幾つ越え鶴来る
茶碗蒸し丼で出す冬麗
上野葉月
女教師の生まれた星の冬耕す
お歳暮をすべて茶色で統一す
岡田由季
灯火親し恋人へ質問数多
任されて途方に暮れる芋煮会
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