◇◆◇8月の競作◇◆

感想は掲 示板にどうぞ。




吉野秀彦
国中の山河静まる終戦日   
駆落は昭和の言葉らんの花



石 山昼妥

あけらぽん種を曝して向日葵は
貝拾ふ無事故の続く夏休み



上野葉月
郵便を届けるやうに滝しぶき
夏の川土嚢の上に和尚さん



こしのゆみこ
箱庭に風やら雲やら置いてゆく
島影が花火かくしていたるかな



岡田由季
蝉鳴いて仏頂面の一塁手
サングラス上方落語聴いてをり 



齋藤朝比古
神様の踏ん張つてゐる神輿かな
踏切の音をとほくに立葵



しまいちろう
ラップの詩身に覚えなく夏の雲
ホノルルのバスの長さや草田男忌



矢羽野智津子
甚平の青き金魚が逆さまに
異議申立のごとくに朱のダリア



吉田悦花
短夜やバナナ色なる総武線
星型に射抜かれてゐし枇杷の尻



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