齋藤朝比古
ふんだんに先生立ちし運動会
姿見に布被せあり冬隣
矢羽野智津子
肉まんの片手自由な夜食かな
青痣の覚えなきなり夜の長き
吉田悦花
秋の空トラクターの土ふくふくと
新しきお賽銭箱ざくろ置く
吉野秀彦
海螺廻し原たいらさんに五千点
秋うらら不二家の株のいい噂
上野葉月
秋雨や廊下に赤いランドセル
せせらぎにブレーキシューの落ちてをり
石
山昼妥
彼の案山子代官山に居たといふ
秋麗「echo」と「わかば」の差を論ず
岡田由季
ぱりぱりに鶏皮を焼く寒露かな
偉さうな態度の案山子真ん中に
こしのゆみこ
天に足くっつけ虫の死ににけり
天秤の休んでいる間を虫歩く
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