上野葉月
一月が蒸気を吐いて動きをり
ホルムズ海峡百二十六年ぶりの雪
石
山昼妥
クリスマスツリーに見ゆる二進法
簡単な癌といふひと日向ぼこ
岡田由季
三輪山も端に捉へて初写真
冬ざれの巨大イオンが立つてゐる
こしのゆみこ
夢殿を出たり入ったり御元日
白鳥は手みやげとしてさわがしい
齋藤朝比古
スマイリー小原毛皮を着て帰る
曇天の後の晴天冬籠
矢羽野智津子
青い傘戸に立てかけて聖夜来る
白息の流れの長き無人駅
吉田悦花
早梅や「考へる人」の足の指
冬ざくら上野の異邦人あまた
吉野秀彦
新年の息まで吸ってハーモニカ
凍蝶の舞うごとギター霊歌の音
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