こしのゆみこ
縄電車ひとりふえれば春の雪
小寒の家より猫のいでにけり
齋藤朝比古
生きてゐる冷たさのある枯木かな
木の家のどこかが鳴りし遠き火事
矢羽野智津子
大寒のやつぱり母さんが正しい
歌留多会体育館にちらばれる
吉田悦花
たちまちに乾く見舞ひの冬薔薇
夜の病室狼の影よぎりたる
吉野秀彦
春隣すぐに乾かぬ認印
眠る子や歳神様にあったらしい
上野葉月
丘陵を見事に統べる冬の月
星原を走る腕に抱く橇
石
山昼妥
外套を質草として日本発つ
石痳の味を知らずに雪見酒
岡田由季
原宿の裏路地系の冬日和
京都から乗りてゐたらし雪女
●
トップページに戻る●