石山昼妥
投了の棋譜一面の天の川
国策として断崖の西瓜割り
上野葉月
ともす灯のコロッケ流し野分あと
星飛ぶや明朝体でうそをつき
岡田由季
淡路島らしきもの見え夏の果
西瓜置く大きな波の来ぬところ
こしのゆみこ
頂いた名刺の裏の羊雲
秋雨を貼り付けていく夜のバス
齋藤朝比古
八月の紙飛行機の白さかな
ひぐらしといふ残照の音の中
中内火星
空蝉を粉々にするまでの愛
はったりかます黒きバナナや人は死ぬ
矢羽野智津子
天才の眠り続ける星月夜
秋蝉や痛点のなき薬指
吉田悦花
しろがねの馬穴かさなり原爆忌
八月のとんとんからり回覧板
吉野秀彦
真贋の是非はともかく霧の宿
新蕎麦や一茶の里は谷ばかり
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