吉野秀彦
穏やかに昇る猪日の朝日かな
大柄の主慎まし屠蘇の酒
石山昼妥
肩で編む極太毛糸湯治宿
節太き素手翻す里神楽
上野葉月
運命が扉を叩く獏の札
北風の満ちるや健康な頭皮
岡田由季
キリストの頭痛腰痛冬木の芽
侘助や一番弟子と名乗りたり
こしのゆみこ
私というすきまをつくる年用意
春着着て内緒話の手のうっとり
嵯峨根鈴子
噓つきは狐のはじめカーテンコール
初鴉その他はクローンのままで
しまいちろう
マフラーのなかに口ある別れかな
異世界は少女にまかせ冬炬燵
矢羽野智津子
おんぶしてかかとを握る冬満月
十二月蝶番のごとく握手
吉田悦花
七人の侍いまも冬木の芽
メキシコの豆料理冬あたたかし
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