嵯峨根鈴子
飯蛸の腰から下がよくうごく
ヒトデナシならハクチョウか三鬼の忌
しまいちろう
春昼のバレー教室手だけ見え
シリーズの二から見てをり夏蜜柑
峠谷清広
ああでもないこうでもないと亀は鳴く
所有者が複雑なビル冴え返る
中内火星
どこにでもあるようでないあるふぁるふぁ
鞄には長閑な未来を少々
矢羽野智津子
焙じ茶の香り立つなり彼岸寺
新聞社跡に歌碑あり柳の芽
吉田悦花
春月や草加煎餅囓る音
焼き上るそばガレットよ春の雨
吉野秀彦
飛花落花小さな金魚が死にました
躍動のドラマー春の星まで乗り出して
上野葉月
春日傘前世のことを忘れけり
おさな児の隠れる歌碑や白き春
岡田由季
春眠し船中泊の七日間
人形の配置の変はる朧かな
こしのゆみこ
いつのまに遠くにいたる潮干狩
花過ぎのすっぱい山に上がりけり
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