◇◆◇9月の競作◇◆

感想は掲 示板にどうぞ。








矢羽野智津子
音速の曲がつてをりぬ金魚玉
素朴絵の褌ゆるく秋うらら



吉田悦花
ふれてゐる鎖骨のくぼみ鳳仙花
試し書きの四色ボールペン九月



吉野秀彦
曇天や五番札所の花芙蓉
沈めたる鼠にうから牽牛花



石山昼妥
洗礼者ヨハネに供ふ荒地野菊
石三つ寄せて野菊や墓標めく



上野葉月
新豆腐恋女房が九字を切る
かさこそと石榴に耽る左右の手



岡田由季
時計草段階的に怖くなる
百日紅なかなか腹を見せぬ犬



楠本奇蹄
銃ほどに冷めてシウマイ夜の秋
甘噛を埋めて夕顔咲く空地



こしのゆみこ
夜の秋ことば少ないあそびせり
七音を使う水際夜の秋



齋藤朝比古
爪伸びしところの白き夜業かな
秋風やサラブレッドに安楽死



しまいちろう
白百合や少年の声で母を呼ぶ
草むらに読む落語集法師蝉



中内火星
にんげんは劇だ隠れて女抱け
何かが向こうの方で秋らしい




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