◇◆◇2月の競作◇◆

感想は掲 示板にどうぞ。









上野葉月
みぞれ雨ワルツの如く始まりぬ
目の前の実物大のシクラメン



岡田由季
難波津の浅瀬そろりと宝船
初明り螺髪のなべて右巻きに



楠本奇蹄

前髪に雪雲また鏡がとほい
立春の街は獣医科よりにほふ



こしのゆみこ
舟を出すために白梅咲かせけり
空深く手を差し入れぬ猫柳



齋藤朝比古
墨東の地べたに吹かれ貘の札
暗転の舞台過りて雪女郎



しまいちろう
ユーミンの呉服屋に降る暮雪かな
猫の声ニャーからミャーに日脚伸ぶ



中内火星
待春や真ん中に人形を置く
セーターの方が姉で引っ込み思案



矢羽野智津子
眠れない人からこぼれ竜の玉
葉ぼたんのまはるスイッチありさうな



吉田悦花
百五十の石段下り冬怒濤 
冬怒濤ブルーシートの屋根あまた



𠮷野秀彦
白鷺やかつて私娼のいた寒暮 
料峭や光となるか白鷺は




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