上野葉月
引越の背後に梅雨の気配かな
竹群の色に流されずにゐる蛾
岡田由季
冷蔵庫開けて情報あふれたり
情報を処理する間青鷺佇つ
こしのゆみこ
見渡す限り青信号の青葉騒
片蔭にあわせ我が身を細うせる
齋藤朝比古
白日傘産着のやうに畳まるる
アラートの色して氷いちごかな
しまいちろう
二学期も宿題もない夏休
下着透く留学生や泉汲む
中内火星
コロナ失業コロナ倒産母さんよ
昼顔や男七十嘘にあき
矢羽野智津子
何もかも無かつたやうに髪洗ふ
トランプの全てを裏に梅雨入かな
吉田悦花
家系図を遡りたるさくらんぼ
梅雨月夜立てかけてある猫車
●
トップページに戻る●