こしのゆみこ
あなたからかぎろえるまであるくかな
春の潮人を待たせているような
しまいちろう
春の夜の前も後ろもなきパジャマ
日曜のカバンに聖書と桜餅
高橋洋子
美しき春潮を耳なら知つてゐる
林檎の花ゑふでを洗ふおじいさん
中内火星
鯉のぼり登り登って愛宕山
恋せよ緋鯉渡り切れよと四万十
矢羽野智津子
すぐ戻る母の出奔夕桜
風呂敷の猫をほどきて夕桜
吉田悦花
炭焼の肉切り分くる花の昼
花疲グランドピアノの蓋ひらく
岡田由季
燕来る最新式の三輪車
収まらず咲いてしまひし蝮草
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