こしのゆみこ
わたくしの日傘さしたるモネ夫人
青芝に雨降りやすき椅子を置く
齋藤朝比古
真つ先に下船麦藁帽子の子
がしやがしやと来てどんと置く生ビール
佐々木紺
かやつり草忘れたころに咲く手紙
蘭鋳の隠されてゐる貨物駅
しまいちろう
三伏や赤坂に坂二十一
平面を立体に踏む夏芝居
中内火星
蛇に脇目はなくてライターに火がつかぬ
海鳴りやわたしの向日葵は咲いたか
矢羽野智津子
耳遠き友の残りて草茂る
風鈴やトラック並ぶ貨物駅
吉田悦花
七夕の硯洗ひしオフィスかな
夕焼の空はすべてを受け容れし
岡田由季
落ちてくる虫待つてゐる山女かな
余るやう作る唐揚げ夕薄暑
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