矢羽野智津子
鬼灯市裏道抜ける鈴の音
口笛の音符を刻む涼しさよ
吉田悦花
グララアガアと白象の哭くいなびかり
亡きひとの音楽あふれ星祭
𠮷野秀彦
薄墨のごとき影なり揚羽蝶
星走る北のオルカは鳴いている
岡田由季
河童忌の成分献血してゐたり
青芒東口から古墳まで
こしのゆみこ
自転車に乗ってあつまる生身魂
丸暗記しているような立葵
しまいちろう
号外の見出しは五文字夏の蝶
両国のホームの長さ西日照り
鳥山由貴子
密航の少年の手にラムネ瓶
七度転生いま焼かれゆく毛虫
中内火星
スリッパに右左なく平和主義
水道水をのむというしばしの平和
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