尾鰭      柏柳明子
 
  花冷えや臓器模型を裏返す
  夏掛けに尾鰭のかたち残りをり
  リズムとるベーシストの足油虫
  香水瓶揺らし今夜は船長に
  かなかなやいつせいにヴァイオリン構へ 
  颱風圏アジアの色の雲流れ
  不知火やピアノのペダル深く踏む
  言ひ出せぬ高さにありし冬の雲
  天井のストーブの影反抗期
  冬の川ヤマトタケルのまなざしよ





次へ豆の木no.6Indexへトップページへ
inserted by FC2 system