檸檬のように  川田由美子
 
  冬の蜂口笛かさなれば明るい
  鴬よ私の崖よ磨りガラス
  青浚う滞空時間水温む 
  釦さがす黙やわらかしつくしんぼ 
  紅茶冷ゆる間花馬酔木は銀に 
  連翹のさざなみ手暗がりに曳く
  夏落葉しんしんと子にことば満つ
  山百合や地下水を汲む息づかい
  家族という夕餉はあおい檸檬のように   
  さわやかやまばたき風に溶かしおり




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