大丈夫
こしのゆみこ

夏のうしろぱちんとはぜる菓子袋
ががんぼののぞみをきいていたるかな
百足の子鈴つけて大急ぎなり
草笛吹く兄を信じて大丈夫
砂糖菓子の溶ける快楽平泳ぎ
旅のように林檎芯まで腐ってゆく
うまれつき小鳥なくしたような眉
片恋の兄猛烈に黄落す
そわそわ空うごきはじめてぼたん雪
すずしろすずしろといい澄んでゆく



【作句の風景】
海、静かな三河湾の海。小学生の私はスカ―トをパンツのゴムにはさんで、
引き潮の兎島に向かう。ノブちゃんと血のような膿のような味の海酸漿を噛みながら。
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