志望校
吉永彩華

透明なサンダルで行く志望校
水を打つ画廊の隣貸画廊
梅雨晴間塗り換えられし表彰台
白南風や曲家にある尿の瓶
自転車の浅きブレーキ蝉生まる
朝顔や解体現場の木の香り
描かれし裸の男山眠る
木漏れ日は魂の椅子日向ぼこ
競売地冬の惑星瞬けり
待降節のベッド塩のごとくあり



【作句の風景】
靴下を履いたまま敷き放しのふとんでうたたねしてしまうとき、背中に沼のような闇が
張り付く。沼のくせに油取り紙のように薄い。理解しようとすると、目が覚めている。
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