うぐひす嬢
白井健介
弓道場等間隔に蚊遣香
赤とんぼ飛板の揺れつづきをり
美味いかとのみ父が訊き秋の蝉
声美人なるを雨月の長電話
ドレッシング三つに分離台風来
秋澄むや消化試合のうぐひす嬢
鼠捕り下仁田葱の束の脇
寄鍋の地盤沈下のごとく煮ゆ
寒泳の少女の腋のうす蒼き
鮟鱇の大漁煙草折れ曲がり
【作句の風景】
席題の一つに「三」。三叉路、三連符、三三七拍子…ドレッシングの罎が目に浮かぶ。
「三つに分離」に異議あり、の声。帰り道スーパーに立ち寄りしかと確認。
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