明らか
矢羽野智津子

冬の水首筋固き青年よ
鳥に生れ春昼の首もてあます
まくなぎにあなただけしか見えません
炎天やマンホ\ルてふ地の扉
剥がれない切手のやうな蝉の声
墓訪えば少し空腹子規忌日
懸崖の一花を括くる紐咥へ
水洟や樹齢の乾く鬼子母神
お多福と言へど顔選る酉の市
明らかな色に人参ありにけり



【作句の風景】
「何故?」「なぜなの?」「どうして?」「どうしてなの?」いつも
問い詰めていた私が最近いない。何故なのだろう。どうしてなのだろう。
豆の木no.3indexへ トップページへ

inserted by FC2 system