1998/リアル/ライフ 吉田悦花
蛇穴を出て私から手をつなぐ
ホテル街突っ切っていく野遊び
春の蜘蛛絹の下着を陰干しに
桜餅匂ふ頑張れとは言はず
夏の霧ふたりの呼吸あはせをり
心臓の高さにギター弾く晩夏
オルガンに肺のあるごと無月かな
遮断機の切り取つてゐる秋の空
月ずきんずきん獣のような睡り
雪降る闇わたしの中の男の脳



【作句の風景】
今宵は、「スケベニンゲン」という名のイタリアのパスタを茹でる。鉢植えに水を
やらねば。鏡も磨く。透明人間になった夢の続きをみるために。じゃ、おやすみ。
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