吐藩の
菊田一平
天狼や路地に煮炊きの火の盛ん
炭市の路地の二階のかじけ猫
墳山の端におほきな焚火跡
さびさびと黍の殻焚く夜の底
強霜や城の外より鶏の声
兵俑のひとつは父似草の絮
兵俑軍凍れの彼方睨みをり
せり市に牛のあつまる冬始
吐藩の土のにほひの冬帽子
冬耕の鋤を入日に振り上げる
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