フォルテシモ
中嶋憲武
鳥雲に初めの音のフォルテシモ
櫂立てて墓標としたり鰆東風
不発弾のままの少年花卯木
朝曇杭打つ音の遅れ来し
雁瘡や腹蔵もなく夢ひとつ
待つ事は背骨一本鳥渡る
稲妻の母呼ぶごとし夜の河
大花野わたしのうしろ青くなり
小春日の居眠りの首抜けにけり
映画館の壁際にをり年惜しむ
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