無声映画
吉田悦花
ゆつくりと桃源郷に夜網打つ
抱き合つてゐたり来世の花明り
たかんなを抱きみなしごになつてゐる
海月浮く水中に髪ほどけをり
夏の月恋の腹筋鍛へをり
真暗な海のひろがり案山子立つ
山ぶだう両神山とふれあへり
どこまでが秩父の闇かはたはた飛ぶ
極月や無声映画のごと睡る
鷹の眸に囚はれし日となりにけり
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