考へる
矢羽野千津子
大寒のわが影に首なかりけり
考への生え際かゆし冬の川
はこべらにグローブたたきつけにけり
種薯に縄文の日を考える
葉に眠るものゐて地獄のかまのふた
花茣蓙に目玉クリップ落ちてゐる
ハンカチをたたみ神経太からず
風鈴に象形文字の魚かな
揚花火受精ののちの蘂降らす
居待月釦片手ではめにけり
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