万 力
齋藤朝比古
師系みな虚子へ連なる朧かな
逝く春の仄かに黒き膝頭
かたつむり殻引き寄せて睡りけり
祭から祭へ走る巡査かな
蛇の衣昼の月より垂れてゐし
歩かない猫とキンモクセイの下
虫の夜の万力すこしづつ締める
組紐のごとき家族や七五三
雪だるま濡れながらなくなつてゆく
セーターを脱ぎてセーターあたたかし
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