朱欒売
菊田一平
篆刻の老人の膝毛布かな
Old Film Cafe を覗く冬帽子
虹口の街行く朱欒売の声
街を行くひとを見てゐる懐手
旧租界路地に干さるる絹布団
名の鳥の籠に時雨を聴くかたち
冬の水赤き金魚を沈めをり
煉瓦より寒き首出し煉瓦積む
丈高き卓なり蟹を啜るなり
小姐の額に上海蟹の味噌
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