穂草ゆるる
川田由美子
息の根てふふうっと遠く冬夕焼け
ミモザ咲く夕暮れは目礼の篤さ
吾を呼ぶ水草ほぐすように娘は
くびかざり編む手の夢幻青あらし
おくれがちに吾やわらげり夕薄暑
白桃や足裏ぬるし夜をふめば
虫すだく地平の熱の遠離る
仕草とや穂草ゆるるように吾子
霧の夜やさしきことの影搦め
白萩よ冷えし木馬よ前のめる
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