一茶とパリを    峠谷 清広
 
   不眠症俺は鮟鱇の目玉かな
   階段が好きな子猫と春を待つ
   山笑う男のロマンという法螺に
   生まれても死んでも手続き雪柳
   風光る一茶とパリを歩きたし
   西田幾多郎冷奴凝視中
   夏野行く父よ昭和の自転車で
   草失飛ばす期待されない子供達
   真っ黒な谷を見ている晩夏かな
   蚯蚓鳴く自髪で恋の句を書けば              
   
      


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